9匹のあひる

不思議な言葉でお話ししましょ

悲しみ芝居

夢に噛みついてみました

とても酸っぱかった

汗の味がしました

 

貧血が治りました

飢えた野良犬みたい

肋骨を剥き出したまま

わたしは走り出します

 

小さな石につまずきました

わたしは転びました

前が見えなくなりました

真っ暗になってしまいました

発展のためのアスファルトみたいに

消費されるだけの記号に向かって

あなたたちはアスファルトの上を滑ります

 

目が落ちました

熱せられたアスファルト

わたしの目玉が音を立てて

ジュージュー焼けました

 

匂いでもわかるものです

嗅覚は懐かしさのための器官

過去に飛ぶための肉です

 

わたしはもう過去にだけ生きられます

さようなら、わたしの時制