9匹のあひる

不思議な言葉でお話ししましょ

緑物語3

緑ちゃんです。

 

私は今日も元気です。血圧の問題から、朝起きたときは芋虫くらい機嫌が悪いけれど、コーヒーを飲み終わる頃には、もうすっかりご機嫌になっています。最近、秋の気配が漂い始めていたけれど、湿気の多い日が続いていたので、除湿の効いた部屋で一日中過ごす日が続きました。フェティッシュについて考えることが多かったと、私はそう思います。

 

近代理性と感情と感覚とアートと皮膚とフェティッシュと色彩について、今一度しっかりと考えていかなければならないと、最近そう考えることが増えてきました。なぜそう考えるのかは、簡単な問題です。私にとっては自明のことなのです。

 

秋だからです。



池袋を歩いていました。巨大な少女が乳首にピアスを開けて歩いていました。ビルの間をすり抜け、股間から透明な汁を流していました。そこにたくさんの虫たちが群がっており、陰毛みたいになっていました。母なる大地に生命は返っていくのだ、午後の柔らかい日差しを背中で受けながらそう思いました。

 

「興奮しなくたっていいのに、国会じゃないんだから。そう思わない?」

 

私は、信号を待っていた若いカップルにそう言いました。その1人が言いました。

 

「事実とは何か?物神とは何か?」

 

私は混乱しました。取り乱してしまいました。また別の1人が答えました。

 

「われわれは一度も近代的でなかった」

 

2人の男たちは、そのまま砕けて死にました。

 

私はその2人に手向けの言葉を送りました。

 

「事実は作られるのだ」と。



夜はおでんを食べました。大根、はんぺん、アジのツミレ。薄味で温かい。薄くても認識させてくれる優しい世界が構築されました。わたしたちは、薄味の出汁を捉え直すことで、世界をもっと違ったものにできるのではないか。われわれの認識の枠組みをもう一度、花のあまりの色彩に畏れを抱いていたあの頃に、まったく同じというわけにはいかないが、あの感覚から世界をもう一度。



仮想現実と反実仮想。

 

仮の想いが実った現と、反った実の仮の想い。



私は仮想現実よりも、反実仮想がすきでちゅ♡



かしこ