部屋の中は雑然としている。まったくのランダムに物が置かれている。壁に掛けられた大きな女の写真だけが、その部屋で異質さを放っている。部屋の壁側に置かれた机の上には、電子ピアノが置かれ、その電子ピアノの上には、本が積まれている。ジャンルはバラバラで、哲学、人類学、社会学、経済学、文学、小説、写真集である。その右隣には、マヨネーズとコンソメを保存するためだけに唸りを上げる冷蔵庫が置かれている。その上に電子レンジが置かれ、私の食を支えている。また、ピアノの乗った机の左側には、本棚があり、本で溢れ返っている。その上には電気ケトルがあり、これもまた、私の食を支えている。その向かい側には、ベッドが寂しく寝転がっている。この部屋は、ピアノを中心とし、両翼に私の生活の、すべての痕跡を発見できるようになっている。雑然としてはなく、ランダムではないのかもしれない。前言撤回だ。ただ言えることは、小さな部屋だということである。
女王は今、砂地を歩いている
砂は太陽の陽に罵られ、興奮を隠せずにいる
その砂は女王に監視され、肉体的な動きを見せず
頭の中でのみ感情を拵(こしら)えている
女王はその軋みを見下ろし、口を大きく開けて、鳥のように笑う
白い歯が太陽に照らされ、陶器の輝きを発する
よだれがねっとりと動き、口の中の赤い妖艶な肉が痙攣する
風が吹き始め、太陽が雲に隠れる
女王は笑うのをやめ、身体をゆっくりと横に揺らす
そして、口を笑うこと以外に使い始める
「貴様らは時を殺すのか?
ははっ、時の殺人者だ
時よ、逃げよ。安心して逃げよ
あなたたちを捕らえるものは、もうすでに失われている
人々よ、貴様らはもうすでに、時を捕まえることなどできぬ
あはっ、あははっ、時を抱擁してやってほしいものだ
胸の肉に沈めてあげようとは思わぬのか?
時が泣いているぞ。んふっ、その声が聞こえぬのか?
耳を?あははっ、そうか、耳はもう削ぎ落としてしまったか
時を聞く耳を切り落としたか!それでは時の声は聞けぬな
ははっ、あはっ、あははっ。んふっ
未来か。未来を、未来を!あはははっ!
人々よ、よく聞け!囚われ、捕らわれているのは貴様らだ!
貴様らは未来に捕われているのだ!あはははははっ!」
女王は砂と共生する
「女子力ってなに?」
「知らない」
おしゃべりしましょう。飽きてきたね。